チャーチル 名言の宝庫!首相としての葛藤を描いた映画 次は鉄のカーテン演説を期待!

映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」映画ですのでノンフィクションを基にしたフィクションでしょう。しかし、ノンフィクションの本にも著者の主観、解釈がある程度は入るように、完全なノンフィクションにはなりえません。同様に、フィクションも作家が完全にゼロから創作するわけではなく、元ネタ(実際の事件や事実、経験)があるように完全なフィクションもありえません。フィクション、ノンフィクションは程度の問題ということです。この点を踏まえてこの映画を観てみるとチャーチルとともに〈和平か?抗戦か?〉意思決定の場に居合わせたように気になります。

チャーチルの名言

チャーチルの名言はたくさんありますね。
ここでは実在のチャーチルの名言ではなく
映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」での名言(セリフ)を選んでみました。

欠点があるから強くなれる。迷いがあるから賢くなれる。

You are strong because you are inferfect,you are wise because you have doubts.

これは、チャーチルの妻が,悩むチャーチルを勇気づける場面でのセリフです。国王も海外への亡命を提案されるほど戦況は最悪の状態、チャーチルも八方塞がりでひとり悩む場面での、妻からのセリフです。

勇敢に戦って負けて国はまた起き上がれるが、逃げだした国に未来はない。

Nations which go down fighting rise again, and those that surrender tamely are finished.

 

チャーチルが劇中で引用した言葉(ホラティウスの名言)です。

そして語り手であるホラティウスは言った。地上のあらゆる人間に 死は遅かれ早かれ訪れる ならば強敵に立ちむかう以上に 尊い死があろうか
祖先の遺灰のために 神々の殿堂のために
Then out spake brave Horatius, Captain of the Gate: To every man upon this earth death cometh soon or late. And how can man die better that facing fearful odds for the ashes…
For the ashes of his fathers and temples of his Gods.

ホラティウスとは、古代ローマの詩人です。
チャーチルが地下鉄内でロンドン市民との会話の中で、この名言を引用します。実際にチャーチルが地下鉄に乗ったかはわかりませんが、チャーチルならホラティウスを知っていたであろうことは、十分信憑性もありますし、チャーチルが教養人ということがうかがい知れる場面です。

ヨーロッパ人にとってのラテン語、古代ローマ、ギリシャ、聖書の言葉は、我々日本人にとっての漢文、故事成語と聞いたことがあります。妙に納得した覚えがあります。

成功も失敗も終わりではない。肝心なのは続ける勇気だ。
Success is not final, failure is not fatal, it is the courage to continue that counts.

最期のエンドクレジットの際に出るチャーチルの本当の名言です。
finalとfatalで韻を踏んでいるのは英語らしい表現ですね。
count、「数をかぞえる」という意味のほか「重要である」という意味もあるようです。

以下は、個人的に面白いと思ったセリフです。イギリス軍がドイツ軍に全く勝ち目がなく、ほぼ絶望的な状態の中、切羽詰まって「深夜」にチャーチルが米大統領ルーズベルトに電話で支援を求める場面です。

(深夜の会談もほぼ終わりに近づいて)
米大統領ルーズベルト
そちらはもう(深夜で)遅いんだろ?
it must be late there?

チャーチル
ああ・・・・君が思う以上にな(支援を受けても手遅れだろう)
yeah,no ways・・・・

※英語専門ではないので、聞き違いがあったらすみません。チャーチルのセリフもうまく聞き取れませんでした。

ルーズベルトは深夜で「遅い/late」と聞いているのに対し、チャーチルは表向きには深夜だから「遅い/late」と答えつつ(支援は)「手遅れ/late」になると匂わせています。最悪の状況でのジョーク?ユーモアが効いています。原題「Darkest Hour」をひねった深夜のやり取りです。

 

チャーチルの首相としての苦悩と葛藤

映画の内容を簡単に紹介します。

1940年5月、ヒトラー率いるドイツが圧倒的武力を背景にヨーロッパを席巻、
その勢いの前にイギリス軍も勝てる見込みはなく、議会は和平一色。
しかし、ドイツの勢いを止められるのは今やイギリスのみ。
ドイツとの和平か?抗戦か?首相に任命されたチャーチルは苦悩し、葛藤を続ける。
果たしてチャーチルはどう決断するのか?

チャーチルの伝記的な映画と思って観ましたが、全く違っていました。
首相就任の1940年5月に絞ってのチャーチルにとっての苦悩の1ヶ月
原題「Darkest Hour」、まさにチャーチルにとって「最悪の時期」を描いています。

チャーチルの最悪の時期に絞ったからこそ、内容は濃密なものになっていますし
また、私たちはイギリスがドイツに勝ったことを知っています。
だからこそ、ラストは一層感動的なものとなっています。

仮に、これが日本の国会で真珠湾決定のストーリーなら
ラストの熱狂はまた違ったものに見えてきます。

 

チャーチルの映画について

主演はゲイリーオールドマン。
この映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でアカデミー賞主演男優賞を受賞
特殊メーキャップでチャーチルを演じたそうです。
当初、なんとなくチャーチルっぽいな、という感じで見始めましたが
ゲイリーオールドマンの演技はもちろん、脚本やカメラのおかげもあって
映画が進むうちに、本当にチャーチルのように感じられてきました。

物語はロンドン市内、国会、チャーチル自宅などチャーチルを中心にその周辺のみで
進んでいきます。ヒトラー(ヒトラー役の俳優)は全く出て来ません。
セリフの中には「ヒトラー」という言葉はでてきますが、ドキュメンタリーのようなつくりです。
チャーチルの「情熱大陸」と言ってもいいかもしれません。

映画はとても面白くオススメの映画です。
ただ、私が個人的に感じたことは、観方に気を付けなければ
いけないということです。

チャーチルの決断、困難に立ち向かうリーダーシップの映画と観ることができる一方で
戦意高揚とも取れなくはない、ということです。

戦勝国だからこそ作れた映画であり、敗戦国では決してつくれない内容ですね。

とはいえ、歴史好きにはオススメの一本です。

次は鉄のカーテン演説

映画では戦後の有名な鉄のカーテン演説は描かれていません。
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」が思ったより面白かったですし
アカデミー賞も受賞しています。
私としては「続き」に期待したいです。

戦中のチャーチルの活躍も期待したいですし
戦後の有名な「鉄のカーテン演説」の場面も観てみたい気がします。

なお、今回調べて知ったのですが、鉄のカーテン演説は1946年
チャーチルは首相ではなかったんですね。

第二次チャーチル内閣は1951年10月から55年4月
国王はジョージ6世(映画「英国王のスピーチ」)から女王エリザベス2世の治世へと移っています。

第二次世界大戦での活躍はイメージしやすいですし
映画では描きやすいかもしれません。

冷戦下でのチャーチルの活躍は、映画としては
描きにくいかもしれませんが、
だからこそ今回のこの映画の脚本、監督に期待して
冷戦下で活躍するチャーチルも観てみたい気がします。

 

 

 

 

 

 

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